桜田ひより、朝から夜まで続いた親子シーンを回顧 「ヒリヒリしながら向き合った」

映画『星の教室』の完成披露舞台挨拶が2026年10月6日に行われ、主人公・潤間さやかを演じた桜田ひよりが登壇した。
『星の教室』で主演を務めた桜田ひより
本作は、夜間中学を舞台に生徒や教師の姿を描いた作品だ。
完成した作品が初めて観客のもとへ届く日を迎え、桜田は率直な喜びを口にした。
登壇しているキャストだけでなく、作品に参加した多くの出演者やスタッフも、この日を心待ちにしていたという。
撮影中、それぞれが熱量を注ぎ込んだ一つ一つのシーンが、ようやく一本の映画として完成した。
桜田にとっても、現場で積み重ねてきた時間が形になったことへの喜びは大きかったようで、観客に早く見てほしいという思いを明かした。
本作で演じたさやかは、孤独を抱えながら生きている人物だという。
しかし桜田は、単に傷ついた人物として捉えていたわけではなかったそう。
さやかの心の奥には、自分の未来に対する期待や、学校で学ぶことへの前向きな思いが確かに存在している。
その部分を見失わず、誰よりも自分自身がさやかの気持ちに寄り添うことを大切にしていたという。
役の抱える痛みだけに目を向けるのではなく、その奥にある希望まで理解しようとしたようだ。
母親役の仙道敦子と向き合ったシーンも、桜田にとって特に印象深いものとなった。
親子の場面には、さやかにとって決して明るいだけではないシーンが多く、ある日は朝から夜まで一日を通して親子の場面を撮影したという。
そうした時間を桜田は、「ヒリヒリするような濃密な時間だった」と振り返った。
そこにあったのは、単に母と娘という関係を演じることだけではなかった。
親子という枠を超え、一人の人間と一人の人間が、それぞれの思いを抱えたまま真正面からぶつかり合う。
誰にも理解されないと感じる孤独と、それでも自分の人生を前へ進めたいという願いが込められている。
取材・文:中京太一