【インタビュー】実に10年ぶり… 脇知弘、映画「罪の棘」で高校生を演じるも「やめてくださいと思いました(笑)」

2026年6月26日に公開される映画「罪の棘」。
雅玭演じる絵李香は、交際していた男に騙され、薬物事件で実刑判決を受けた過去をもつ。
そんな彼女の社会復帰後の様子を見守る保護司に選ばれたのは、脇知弘が演じる岩永だった。
ショービズノートは、岩永を演じた脇にインタビューを実施。作品中の裏話を聞いた。
映画『罪の棘』に出演している脇知弘
映画『罪の棘』は、松尾プロデューサーと僕が話を膨らませながら作っていった作品なんです。
松尾プロデューサーと食事をしていた時に、「脇さん、どんな役をやりたいですか」と聞かれて、「今までやったことのない役がいいですね」と答えました。
そうしたら、「保護司の役はどうですか」と言われて。
どんなことをする役柄を考えているのか聞いてみたら、僕の役で言うと「絵梨香という女の子を熱量で守っていく役です」と説明されました。
保護司というのは、民間のボランティアで、普段の職業自体は何でもよくて、委嘱されたらできると聞いて、「なるほど」と思いました。
そこから「どういう話にしていきましょうか」と2人でいろいろ話をして。
すると後日プロデューサーが、その何気ない会話をプロットにして持ってきてくれたんですよ。
「こんな感じでどうですか」と筋書きを見せてもらって、「ここはもう少しこうしたいですね」とか、自分もいろいろ意見を出させてもらいました。
その後に『罪の棘』の脚本があがってきて、自分たちが話していたことが一つの作品になっていくのがすごく嬉しかったですね。
今回演じた岩永役は正直難しかったです。
ただ僕の中では、とにかく「絵梨香を助けたい」という気持ちだけはずっと持っていました。
僕の役は元受刑者という過去を持っている人物。
同じような境遇を持つからこそ、絵梨香の気持ちが分かるし、救うことができるのではないかと思いながら演じました。
演じてみて、印象に残っているセリフはいくつかあります。
例えば「人間万事塞翁が馬」という言葉。
言葉自体は知っていましたが、普段人に向かって言うことってなかなかないじゃないですか。
だからセリフでいただいた時に改めて意味を調べました。
そうしたら、「一見、不運に思えたことが幸運につながったり、その逆だったりすることのたとえ」とあり、この役にすごく合っている言葉だなと思いました。
あとサボテンの話も印象的でした。
サボテンのトゲは外敵から身を守るためではなく、生きるために必要な水分を集めるためにあるという話。
その意味を自分でも調べて理解した上で演じたので、すごく心に残っています。
印象に残っているシーンは、絵梨香との距離が初めて縮まる橋のシーン。
横浜の橋の上で撮影していたのですが、実は撮影前に僕が橋の欄干にもたれてセリフの練習をしていたんです。
気が付いたら横に絵梨香役の雅玭さんもいて、一緒にセリフの練習をしていました。
その空気感がすごく良くて、「監督、この場所から始めませんか」と提案して。
本来は別の場所からスタートする予定だったのですが、監督も「いいね」と言ってくださって、結果的にその場所から撮影することになりました。
作品の中でも大事なシーンだったので、自分たちが自然に作った空気の中で芝居ができたことはすごく印象に残っています。
実は最初、(回顧シーンで出てくる)高校生役を演じると聞いた時は「やめてください」と言いました(笑)。
最後に高校生役を演じたのは、2016年公開の映画「昭和最強高校伝 國士参上!!」ですね。
「高校時代の岩永は若い役者さんにお願いできませんか」とお伝えしたのですが、「脇さんの高校時代に見える人はいません」と言われまして(笑)。
それならやるしかないなと思いました。
そこで、大人時代はメガネをかけることにしました。
メガネがあることで、高校時代との違いが出るのではないかと思って。
相手役の女の子(現21歳の朝日音羽さん)が本当に若かったので、自分が変に気持ち悪いおじさんになっていなければいいなと思いながら演じていました(笑)。
でも気持ちとしては、その頃の高校生に戻ったような感覚でしたね。
高校生時代の回想シーンについては、最初は後ろ姿から始まるカットになっています。
たぶん女の子の方を印象的に見せたかったのもあると思うのですが、僕自身も「このまま後ろ姿だけだったらいい感じだな」と思っていました。
ところが結局、普通に顔も映っていました(笑)。
でも今振り返ると、あの入り方は良かったのかなと思います。
制服で、高校生の回想シーンだということが自然に伝わるカットになっていたので。
作品中に登場する1975年式のセリカも印象的でした。
実は僕は運転していないですが、何度も乗りました。
まず思ったのは、想像以上に狭いこと(笑)。
シートベルトも今みたいな斜めじゃなくて、ジェットコースターみたいにお腹の部分だけで留めるタイプなんですよ。
メーターも今の車とは全然違いますし、ハンドルもすごく重たい。
クラッチも重くて、「昔の車ってこうだったんだな」と感動しました。
車好きの方ならかなりテンションが上がる車だと思います。
この作品の見どころは、人との出会いによる成長だと思っています。
人と関わることで人は変われるんだということを感じてもらいたいです。
今はデジタルタトゥーという言葉もありますけど、『罪の棘』はまさにそういう、過去にやってしまったことが後になって叩かれたりしてしまう現実を描いている作品です。
でもそこで終わりじゃなくて、人との出会いによって変わることができる。
そういう部分を感じてもらえたら嬉しいですね。
岩永剛史役:脇知弘(Tomohiro Waki)
1980年10月11日生まれ、神奈川県出身。
2000年に、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」で俳優デビュー。2002年、ドラマ「ごくせん」のクマこと熊井輝夫役で注目を集める。映画『ふとめの国のありす』(12)、舞台「漫才バンザイ」(18)に主演したほか、香港との合作映画『殺手#4』(25)に出演するなど、幅広く活躍。7月には『キングダム 魂の決戦』の公開が控えている。
映画「罪の棘」
雅玭 脇知弘 山崎真実
一瀬綾花 ほしら 緑川雄志 髙城桃花 小川雅史 青海衣央里
川原英之 朝日音羽 関幸治 大滝明利 西山啓介 西村西矢 大塚かよ 三浦浩一(友情出演)
勝矢
監督 植田尚
エグゼクティブプロデューサー 松尾典弘 プロデューサー 元信克則
脚本 村川康敏 音楽 諸橋邦行 撮影 ふじもと光明 照明 江川斉 録音 相樂滋嵩 美術 村上輝彦
衣裳 深野明美 ヘアメイク 村山七虹 助監督 今井美奈子 制作担当 篠﨑周馬
制作協力 ユニオン映画 製作 ストーンプロダクション 配給 渋谷プロダクション
2026/JAPAN/ステレオ/シネマスコープ/91min
©ストーンプロダクション
公式サイト: https://tsuminotoge.com
Facebook: https://www.facebook.com/tsuminotoge
6/26(金)より池袋シネマ・ロサ他にて全国順次公開