【インタビュー】映画「月の犬」に出演した深水元基 「心情を削ぎ落とす」にこだわり

俳優の深水元基が、最新出演作の映画『月の犬』撮影時についてショービズノートへのインタビューで語った。
「月の犬」出演の深水元基にインタビュー
深水が演じるのは「日常に飽き切った」男・南だ。
「やりたいことも刺激もない生活の中で、東島(萩原聖人)という人と出会い『東島とだったら僕が見つけたいものが見つかるんじゃないか』というように、東島と接したことによって何か希望を持ち始める役です」(深水元基、以下同)
淡々と進む物語のなかで、登場人物それぞれの心がゆっくり動いていく――そんな静かな映画で、深水は「削ぎ落とす」ことにこだわって役を作り上げたという。
「(横井健司)監督が最初に説明してくださって、現場に入ってカメラワークやどういうカットを撮るかで、南の心情とかを全部表現してくれるなと思って、僕が気持ちを表に出さなくても全部描いてくれるという信頼感がありました。
なので顔や動きで心情を出さない方がいいのかなとか、削っていく作業の方が多い役だと思いました。
『何を考えているかわからない』と思ってもらえるように演じました
ね」
南は東島に出会うことで、「東島となら何か見つかるのではないか」と希望を抱くようになる。
登場人物の内面がじわじわと動いていく。
深水はその“静かな動き”こそが本作の魅力だと評した。
撮影で特に印象に残ったのは、主演を演じた萩原聖人との共演シーン。
深水は「萩原さんが東島としてそこに立っているだけで、南として刺激を受ける」と述べ、2人の演技の重なりが作品の核になったと振り返る。
以前にもドラマで共演した経験があり、萩原の役作りや現場での姿勢を間近で見ることが、深水にとって大きな刺激になったという。
アクションシーンは現場で感情をぶつけ合う場となり、深水はその撮影が強く記憶に残っていると言う。
作品について、深水は「本当に“映画”だと思える作品」と評した。
スクリーンで余白や静謐さを味わってこそ得られる感動があり、「劇場で見てほしい」と強く薦めた。
日常の疲弊とそこから生まれる小さな希望、人物の内面に寄り添う本作は深水にとっても新しい挑戦であり、観客へ余韻を残す映画になっている。