生成AIで映画制作、「1ヶ月でできることが変わった」金子修介監督が語った「2126年、海の星をさがして」裏側(3)

2026年11月13日から全国公開される映画『2126年、海の星をさがして』。
主演は渡邊圭祐が務め、北海道・釧路を舞台にゲーム誘致に動く若者を描いた作品だ。
ショービズノートは、同作品を監督した金子修介監督にインタビューを行った。
「2126年、海の星をさがして」で生成AIを使用
今回、映画の中に出てくるゲームの画面は生成AIを使っています。
これがもし普通にアニメで作るとなると、かなり時間がかかると思うんです。
そういう意味では、短期間でうまくできたなと思います。
僕自身はゲームにそんなに詳しくないんですけど、ゲームをやっている人のアバターが動くということは分かっていました。
そこで、アバターと現実の少年たちの顔を、どうやったら直感的に一致させられるのかなと考えたんです。
最初は僕が、「写真をそのまま貼り付けたらどうかな」と提案したんですよ。
でも、スタッフから総スカンというか、「気持ち悪いです」みたいに言われて(笑)。
それで、写真をもとにマンガっぽいキャラクターをAIに作ってもらうことになりました。
そこから、そのキャラクターに対して、コンテに沿って「こういう動きをしてほしい」とか、「シャークから逃げてほしい」とか、「海の中から浮かび上がってほしい」とか、言葉で指示をして作っていきました。
時間的にはかなり助かりましたし、画像もよくできていたと思います。
もちろん、生成AIはいろいろ問題もありますよね。
ただ、今回の映画に関していえば、非常に役立ちました。
進歩もものすごく速いです。
打ち合わせをした時には「これはできません」と言われていたことが、1か月ぐらい経ったら「できるようになりました」と言われて、その通りにパッとできたこともありました。
本当にすごいスピードだなと思います。
ただ、この映画で一番描きたかったのは、やっぱり若者たちなんです。
釧路の若者たちが、自分たちの故郷を盛り上げようとして団結していく。
その中に、実は僕自身のテーマも入っています。
30代前半ぐらいというのは、自分の14歳、15歳ぐらいの少年少女時代を振り返って、それを整理しながら未来に向かっていく時代なんじゃないかなと思うんです。
周りにいる友達とこれからどう付き合っていくのか。
自分はこれからどうしていくのか。
そういうことを考える年齢でもあると思います。
僕はもうその時代を過ぎているので、見ているとすごく懐かしい気持ちもあります。
これからこの人たちには未来があるんだなと思うと、ちょっと羨ましい気持ちもありますね。
だから、この映画を見てくれた人には、若者たちに共感してもらって、一緒に未来を生み出していくような気持ちになってもらえたらと思っています。
監督:金子修介(Kaneko Shusuke)
1955年6月8日生まれ、東京都出身。大学卒業後、日活に入社。根岸吉太郎監督や森田芳光監督の作品で助監督を務める。『宇能鴻一郎の濡れて打つ』(84)で監督デビュー。同年、ヨコハマ映画祭新人監督賞受賞。『1999年の夏休み』(88)がニューヨーク美術館ニューディレクターニューフィルムに選出、横浜映画祭監督賞。『ガメラ 大怪獣空中決戦』(95)、『ガメラ2 レギオン襲来』(96)、『ガメラ3 邪神覚醒』(99)を含む平成『ガメラ』3部作が大ヒットし、『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(01)、『DEATH NOTE デスノート』と『DEATH NOTEデスノート the Last name』(06)が国内のみならず香港、韓国でも大ヒット。他に『1999年の夏休み』(88)、『毎日が夏休み』(94)、『クロスファイア』(00)、『あずみ2 Death or Love』(04)、『プライド』(08)、『ばかもの』(10)、『リンキング・ラブ』(17)、『ゴールド・ボーイ』(24)など
■あらすじ
代わり映えのしない日々を過ごしていた釧路在住のゲームオタクの巌(渡邊圭祐)は、中学時代に友達と熱中した世界的ヒットゲームの次回作の舞台の候補地に、上海と釜山と並び、地元・釧路が挙がっていることを知る。市場で店を開く母と二人暮らしの巌は、ゲームの世界を通して、北極海航路開通時には北のシンガポールともなりえる港湾都市「釧路」が持つポテンシャルを世界に発信し、観光客を増やそうと考え、東京から戻ってきた燈(葵わかな)ら幼馴染たちと共に、ゲームのロケ誘致を目指して奮闘する。最大のピンチを乗り越え、国際プレゼンの準備が進む一方で、巌にはやり残したことがあった…。
出演:渡邊圭祐、葵わかな、上川周作、小西桜子、萩原聖人、小林聡美
監督 金子修介 脚本 梶原阿貴
製作:釧路市シビックプライド醸成長編映像制作実行委員会
企画・プロデュース・製作著作:WOWOWプラス プロデュース協力:キーストン・プラス
制作プロダクション:レオーネ 配給:渋谷プロダクション
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11月13日(金)池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開
取材・文:中京太一