中川龍太郎監督、『星の教室』に込めた思い 「いい人である必要がない」

映画『星の教室』の完成披露舞台挨拶が2026年10月6日に行われ、中川龍太郎監督が登壇した。
中川龍太郎監督が「星の教室」舞台挨拶に登場
夜間中学を舞台とした本作。
中川監督は、作品のお披露目の日を迎えたことについて、この日の観客が『星の教室』を最初に見る人たちになることを楽しみにしていたと挨拶した。
本作には、さまざまな事情を抱えながら夜間中学に通う人物たちが登場する。
中川監督は、舞台挨拶に並んだ出演者たちを見ながら、一人一人が非常に個性豊かであり、この人たちが全員同じ狭い教室にいたことを考えると、撮影をまとめるのは大変だったと振り返った。
ただ、その状況そのものが作品のテーマにもつながっていると説明した。
中川監督が本作で大切にしたのは、一人一人が全く違っていていいという考えだった。
同じ教室にいても、性格や考え方、歩んできた人生がそろっている必要はない。
全員がばらばらの個性を持ったままでいてよいと語った。
さらに、「いい人である必要がない」ということも、本作において重要な部分だと説明した。
中川監督自身、そうした考え方は、これから人々が生きていく社会にとっても大切なのではないかと考えたという。
そして、それが今回の仕事を引き受ける理由の一つにもなったと明かした。
また、作品を見る観客についても触れた。
映画館に来る人も、それぞれ性格や考え方が違い、さまざまな個性を持っている。
そうした一人一人が、自分は自分のままでいいと思えるような形で作品が広がっていけばいいと話した。
舞台挨拶の後半には、総監督を務めた角川春樹も登壇した。
角川総監督は、中川監督の『星の教室』について、自身がこれまで手掛けてきた代表作と比較しても遜色がないとの評価を示した。
この言葉を受けた中川監督は、自身が高校時代に『犬神家の一族』を見たことが、映画の世界へ入るきっかけだったと明かした。
そのため、自身に大きな影響を与えた作品を手掛けた角川総監督から今回の作品について評価されたことに対し、「ちょっとグッと来てしまいました」と率直な心境を語った。
また、『星の教室』には角川総監督の精神も込められているとし、この映画が多くの人に届いてほしいとの思いを述べた。
取材・文:中京太一